FIRA60 新NISAの振り返りと2026年の投資戦略【コア資産の積立銘柄変更】

FIRA60 新NISAの振り返りと2026年の投資戦略【コア資産の積立銘柄変更】

皆様はもう来年の投資戦略を決めておられますか?

カード決済での積立設定(銘柄、金額など)の変更は、利用するカード会社などにもよりますが12月10日頃が設定期限なのではないでしょうか。

そこで今回は、かもナスが実際に投資しているポートフォリオのパフォーマンスを振り返りつつ現状を確認し、2026年の投資戦略を決めていく様子をお伝えいたします。

この記事をお読みいただくことで、皆様の投資戦略見直しの参考となりましたら幸いです。

目次

NISA(コア資産)のパフォーマンスの振り返り

購入ファンドのパフォーマンスをチャートで確認

かもナスが新NISAを利用し、コア資産として購入している投資信託は、以下の4つです。

これら4つのファンドの価額推移をチャートで確認します。

新NISA開始以来のチャート(2024年1月1日~2025年12月5日)

同じチャートですが、新NISA開始から現在(執筆時点)までのリターンです。

今回掲載のチャートは、楽天スーパーサーチを利用している関係上、楽天証券取扱商品しか表示できませんので、金(ゴールド)だけ類似のファンド【iシェアーズ ゴールド インデックス・ファンド(為替ヘッジなし)】を用いて表示しています。

かもナスがSBI証券で実際に購入しているファンド【SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)】とは、総経費率の違いやトラッキングエラーの大小で僅かに違いがあるでしょうが、それほど大きく異なることはないでしょう。

次に、これから行う計算のため、2024年と2025年(執筆時点)のチャートで数値を確認していきます。

2024年のチャート

2025年のチャート

NISA開始以来のデータを整理

購入ファンド別のリターンを把握する

次に、上図3枚の画像に出ている数値を表にまとめます。

購入ファンド別のリターンは、こちらのデータ表からも分かる通り全て好調です。

特に、金(ゴールド)は2年間で2倍以上という驚異の伸びで、他のアセットに圧勝しています。

最も期待リターンの小さい債券バランス型ファンドでさえ年5%以上で回っています。

絶好調!カモ

そうですね。
サラッと見ただけでは、何の問題もないように思えますよね。

えっ!?
何か問題あるの?

じっくり数字を比較して見ると、気になる点がありますので順を追って後程ご説明していきます!

ポートフォリオのリターンを計算する

次に、ポートフォリオのリターンを計算します。

ポートフォリオのリターンは、「購入ファンド別のリターン」に構成比(実際に購入している割合)を掛け算して求めます。

ポートフォリオのリターンは、想定を遥かに超えるリターンとなる年20%以上で回っています。

やったね!

ただし、一括投資ではなく積立投資していますので、このままのリターンになっている訳ではありません。

な~んだ…

とは言え、かもナスのポートフォリオの期待リターンは年7%想定ですので年20%超えは、超優秀な結果です。

ヤッホ~イ!

ただし、「相場は平均に回帰する」という平均回帰の法則を考えると、喜んでばかりもいられませんね。いつかは同レベルのマイナスという年も充分にあり得るからです。

そっ、そんなぁ…

数値に異変|米国離れの兆候

米国株はオワコンか!?

皆様は、先程の気になる点にお気づきになりましたでしょうか。

かもナスが気になる点は、この部分です。

米国株指数の中で最強クラスNASDAQ100が、2025年はオルカンに劣後しそうだという点です。

そこで、ある数字を追加して確認することにしました。

調査開始!

ある数字というのは、少し前から気になっていたeMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)です。

このファンドについて詳しくは、こちらの記事に掲載していますので、ぜひご一読ください。

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どちらも全世界に分散投資する優良な全世界株式ですが、国別の投資比率が大きく異なっています。

特に、オルカンは約65%を米国株が占めているのに対し、3地域均等型の米国比株率は約25%です。

そして、この2つのファンドを比較すると、はっきり見えてくるものがあります。

2025年、米国比率が65%もあるオルカンが、3地域均等型に4.72%もリターンで劣後しています。

つまり、これらの意味するところは、米国よりも米国以外の国が選好されているということです。

更に、別の投資信託を用いて米国と米国以外の状況を直接確認してみます。

全世界株式(除く米国米国株式S&P500を比較すると…

今年は、ダブルスコアに近い差で米国株式S&P500が劣後して、全世界株式(除く米国が圧勝していることが分かります

今年の2月~3月頃にかけて米国以外の国が買われた分の差が、今もそのまま継続している(それから差は広がってはいない)ように見受けられます。

これを単なる一過性のものと捉えるか、米国株ブームが過ぎ去ったと捉えるかどうかは、意見の分かれるところでしょう。

みんなは、
どっちだと思う?

その後、差は広がってないから
一過性だよね?

いやいや、続くカモ…

どちらにせよ、過去例外なくそうであったように「ブームは必ず移り変わる」のであれば、見過ごせない兆しであり「米国離れの兆候」と言えなくもありません。

まあ、今でなくても
いつかはそうなるか…

オルカン購入継続で放置した場合の影響は?

とは言え、ポートフォリオにおける構成比は20%ですので、現時点でポートフォリオのリターンに与える影響は、年間約1%弱(下表参照)の差です。

この差を「誤差程度だ」と捉えるか、逆に「大きな差だ」と捉えるかは、意見の分かれるところでしょう。

しかし、この傾向が今後10年あるいは、それ以上続いたら?と考えると、次第に無視できない差に広がっていく可能性は十分にあります。

こちらの、オルカンと3地域均等型のチャート比較では、僅かですが差が広がっていってるように見受けられます。

ホントだ~

広がっていってる!

これから、どんどん差が広がっていくカモ…

究極の選択?|オルカン?S&P500?それとも3地域均等型?

「オルカンか?S&P500か?」の究極の2択問題は、皆様も良く耳にされるのではないでしょうか。

しかし、前述の内容を踏まえると、今後は「3地域均等型か?オルカンか?S&P500か?」の3択問題になるのではないでしょうか。

時価総額加重平均の罠とは?|オルカンにおけるブーム移行時の落とし穴

オルカンのメリットである時価総額加重平均は、時価総額の大きい国や企業ほど指数への影響が大きくなる計算方法です。

しかし、これは後追いで構成比率が変更されていくことになるため、投資妙味のある初期の上昇を常に取り逃すことになるというデメリットもあります。

そして、大きなブーム移行になると、このような後追いのデメリットの影響が、顕著に現れる可能性、いうなれば「落とし穴」がありますので注意が必要です。

具体的には?|影響を受ける大きさの違いに注目

現在、オルカンの構成比率に目を向けると、新興国(約10%)米国を除く先進国(約25%)が、米国(約65%)に勝る伸びを示した場合、成長の恩恵を受けられる比率は約35%(10%25%)しかありません。

逆に、アンダーパフォームする比率が約65%もあるという状況に追い込まれるということです。

一方、3地域均等型の米国比率は約25%ですので、アンダーパフォームする割合が少なく、上昇を捉えることができる割合が約75%もあることになります。

なるほどね
そういうことか!

参考資料:オルカンの構成比

参考資料:3地域均等型の構成比

長期予測から投資の前提をアップデート

2050年頃までの長期的な予測では、新興国の経済規模が先進国を上回る、あるいは匹敵する水準に達することが見込まれています。

新興国は、若年層の人口増加と労働力人口の豊富さが経済成長を支え、テクノロジーの進展や構造改革によって生産性が向上する余地が大きく、豊富な天然資源と製造能力を活かすことが見込まれています。

このような背景から新興国は、先進国よりも高いGDP成長率を維持することが予測されています。

S&P Globalの予測では、新興国は2035年までに世界の経済成長の約65%を占める見込みで、平均GDP成長率は4.06%と予測されています。

一方、先進国は新興国と比較すると成長率は低く推移する傾向があります。

S&P Globalの予測では、2035年までの平均GDP成長率は1.59%と予測されています。

ただし、必ずしもGDPの成長=株価の上昇とは限らないので、安易に盲信するのは賢明ではありません。

日本経済新聞の記事より米ゴールドマン・サックスの予想を引用

まとめ|「資金の流れ」の変化に対応するために

一つのブームは約10年間で終わりを迎えると言われています。

そして、約10年間継続した米国株ブームが2022年に終わりを迎えようとしたタイミングでAIブームが沸き起こり、米国株ブームは延長戦状態だとも言われています。

ところが、この延長戦は今年で終わりを告げたという意見も出始めています。

その主たる根拠は、競争の激化でAIデータセンターなどへの巨額投資を回収できない企業が続出するという予測です。ただし、あくまで予測ですので必ずそうなるとは限りません。

また、今後期待されている「フィジカルAI」を搭載した「ヒューマノイド」などは、物理世界を理解し、人間の形を活かして柔軟で複雑な作業を自律的にこなすことができる次世代のロボットとして注目されています。

このように、収益の柱がAIそのものから様々な方面へ変化していくことも十分に考えられます。

このような状況、また今回記載の内容を総合的に捉えた結果、かもナスは、株式アセットにおけるNASDAQ100への投資は継続します。

そして、オルカンへの投資は3地域均等型に変更します。そうすることで、「新たな資金の流れに対応できるようにしておくことが得策である」という結論に至りました。

ただし、新NISA開始以降の2年間積立購入してきたオルカンは売却せず保有を続け、来年2026年からの積立銘柄を3地域均等型に変更して様子を見ながら、徐々に移行する形で対応したいと思います。

これでいくぞい!

さて、かもナスはこのような結論に至りましたが、皆様はどのようにお考えになりますでしょうか。

「AIバブル崩壊なら、NASDAQ100はヤバイのでは?」あるいは「最初からアセットアロケーション運用に適した3地域均等型にしとけば良かったのでは?」などご意見は様々かと思います。

投資にはリターン&リスク、将来の展望、経済の情勢、国際関係の状況など実に様々な要素を考えなければなりません。

そして米国株一強の時代においては、S&P500やオルカンのメリットが勝っており、その恩恵(リターン)を受けて来られたのは喜ぶべき事実です。

一方、このようなブームにとらわれず、最初から3地域均等型を選択して超長期目線でポジションを取ることにも、メリット(ブームに左右されない盤石の体制)とデメリット(ブームの恩恵があまり得られない)の両方が存在します。

いずれにせよ、完璧に未来の予測をできる人はこの世に一人もいませんから、どこかでリスクとして受け入れ、意思決定を求められるのが投資の世界、自己責任の世界です。

即ち、日頃から情報収集に努め、自身の行っている投資が正しい状態にあるのか、適時立ち止まって確認することはとても大切です。

皆様も一度、これを機会にご自身の投資方針やポートフォリオを再確認されてみては、いかがでしょうか。


次回は、この3地域均等型に変更したコア資産ポートフォリオの中身について詳しくお伝えしたいと思います。

本日は、最後までお読みいただき誠にありがとうございました。

最後までお読みいただいた方限定のおまけ!
次回記事のあんこ部分を放出(笑)

それでは、ぜひ次回以降の記事もお読みいただきますよう、宜しくお願い申し上げます。

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