FIRA60 仮想通貨は資産形成の新常識?【持つリスクと持たざるリスク】

直近、仮想通貨の代表格であるビットコインが、史上最高値を更新したというニュースが話題となっています。

しかし、仮想通貨と聞くと「なんだか怪しい」「実物がないから信用できない」といった理由で、敬遠している方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「仮想通貨を持つリスク」と「仮想通貨を持たないリスク」の両面を考慮しつつ、FIRA60を目指すにあたっての手堅い戦略についてお伝えしたいと思います。

目次

FIRA60とアセットアロケーション|未来に備える仮想通貨戦略とは?

仮想通貨とは?|資産としての特徴とアセットアロケーション上の役割

仮想通貨(暗号資産)は、ブロックチェーン技術をベースにしたデジタル資産です。

代表的なものにビットコインやイーサリアムなどがあります。

仮想通貨の特徴|高リターンの可能性と高ボラティリティ

  • 非中央集権的:政府や中央銀行が管理していない
  • 分散型台帳:改ざんが困難で透明性が高い
  • 流動性:市場規模が拡大し、取引所でいつでも売買可能
  • 高ボラティリティ:価格変動が非常に激しく1日で20%以上の値動きも珍しくない
デジタルゴールドと呼ばれる側面

特にビットコインは、あらかじめ総量の上限が決められてるとされています。

つまり、金(ゴールド)の埋蔵量が限られているのと同様の効果を有するため、インフレヘッジとして機能すると語られることも増えてきました。

このように仮想通貨は、従来の資産とは異なる特性を持ち、近年ポートフォリオ全体のリスク分散やヘッジ手段として活用されるようになってきています。

仮想通貨を「持つリスク」|FIRA60を目指す世代が直面する課題

アセットアロケーションに仮想通貨を加えるとすれば、やはり気になるのが「リスク」です。

以下に代表的なリスクを整理します。

価格変動リスク(ボラティリティ)

仮想通貨市場は株式以上に値動きが激しく、1日で20%前後上下するこることも珍しくありません。

たとえばビットコインは、2021年には6万ドル台から3万ドル台に急落した実績があります。

FIRA60を目指す私たちにとって、大きなドローダウンは資産計画に大きな影響を与える可能性があります。

規制リスク

仮想通貨は各国政府の対応によって大きく影響を受けます。

たとえば、中国は一時的にマイニングを全面禁止し、価格に大きな影響を与えました。

日本国内でも税制や取引ルールの変更が今後起きる可能性も否定できません。

サイバーセキュリティリスク

取引所のハッキングやウォレットの不正アクセスなど、セキュリティ面での不安もあります。

実際、過去には日本の取引所「コインチェック」や「マウントゴックス」で大規模な流出事件が発生しました。

コインチェックは自社資金で全額返金し、現在マネックスグループの傘下で事業継続中です。

マウントゴックスは、民事再生手続きで返還中(2025年現在も進行)です。

 流出事件後の業界全体の変化

法整備
2017年に「改正資金決済法」が施行され、取引所の登録制・財務規制・分別管理が義務化

セキュリティ強化
・コールドウォレットの導入
・マルチシグ(複数署名)による認証
・二段階認証の義務化

直近、証券口座乗っ取り事件も相次いで発生し、その対策も打たれている中ですので、仮想通貨だけが特別にセキュリティリスクが高いという訳でもありません。

税制面での複雑さ

仮想通貨の売却益は「雑所得」に分類されるため、最大税率が55%に達することもあります。

頻繁な売買をする場合、確定申告の負担も増える可能性があります。

仮想通貨を「持たざるリスク」|インフレ・通貨価値下落時代の備え

一方で、仮想通貨を一切持たないことにもリスクがあります。

これは「機会損失という形で生じるリスク」であり、長期的な視野では軽視できません。

高成長市場から取り残される恐れ

仮想通貨は株式や不動産とは異なる成長ドライバーを持っています。

インフレヘッジや若年層の投資需要によって今後も市場拡大が期待されます。

仮想通貨を保有していないと、ポートフォリオ全体のリターンが限定される可能性があります。

インフレによる資産目減りリスク

現金や円建ての預金は、インフレが進行すると実質的な購買力が下がります。

仮想通貨、特にビットコインは発行上限があるため、「インフレに強い資産」として注目されています。

通貨分散の観点

円一本で資産を保有するのは、国の経済政策や円安による資産価値の下落リスクを伴います。

仮想通貨はドルやユーロとも相関が異なるため、ある種の通貨分散効果を持ちます。

技術革新に取り残されるリスク

ブロックチェーンやWeb3といった分野の成長は今後も続くと見られています。

仮想通貨に一部でも触れておくことは、テクノロジーリテラシーの面でも価値があります。

FIRA60を目指す最適な仮想通貨配分とは?

仮想通貨の位置づけは「メイン資産」ではなく「サテライト資産(補助的な資産)」と考えるのが一般的です。

長期ホールド前提の戦略が有効

仮想通貨は短期トレードではなく、ビットコインやイーサリアムなど信頼性の高い銘柄を、長期ホールドする戦略がFIRA60を目指すには適しています。

全体の5%〜10%を目安に

例えば、1000万円の資産がある人なら、仮想通貨への配分は50万〜100万円程度にとどめるのが現実的です。

損失を被っても全体への影響は限定的ですが、価格上昇時にはリターンに貢献する可能性があります。

FIRA60バランスライフ推奨のアセットアロケーション運用では、期待利回り7%(年平均)での堅実な運用を推奨しています。

例えば、この運用においてポートフォリオに5%の仮想通貨を組み入れた場合、仮に仮想通貨が無価値になったとしても、その年の期待利回り7%のうち5%が減る計算になりますので、資産の安定性はある程度保たれる見込みとなります。

このように考えると仮想通貨の割合は、「期待利回り」までに抑えておくと安心できるのではないでしょうか。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

仮想通貨には様々なリスクがあります。しかし、それは一般的に語られる「持つリスク」と同時に、「持たざるリスク」を考慮する必要があります。

この「持たざるリスク」を踏まえた場合、仮想通貨を完全に排除するのではなく、仮想通貨を含めた幅広い分散でバランスを考慮した戦略が有効な手段となり得ます。

そして、仮想通貨を取り入れたこの戦略的アセットアロケーションには、リスク分散と成長の恩恵を同時に享受できるという大きなメリットがあります。

つまり、FIRA60を目指すにあたっての賢い選択は「持ちすぎず、持たなさすぎず」です。

FIRA60バランスライフも推奨の「投資の王道:アセットアロケーション運用」において仮想通貨も少額だけ保有し、成長と変化に備えられるようなスタンスこそが、FIRA60を目指す私達にとっての最適解と言えるでしょう。

まだ仮想通貨を保有しておられない皆様も、サテライト投資として5%程度の保有を一度検討されてみては如何でしょうか。

ちなみに、かもナスは資産の約5%となるビットコインを保有し完全放置(笑)しています。

そして、このところの最高値更新の恩恵を少しだけ享受できています。

本日は、最後までお読みいただき
誠にありがとうございました。

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