FIRA60 金(ゴールド)の近未来【株式を凌駕する最強アセット】

金(ゴールド)の近未来【株式を凌駕する最強アセット】

このところ、本格的に金(ゴールド)が市場最高値を更新し続けています。

「もう、高くて買えない」あるいは「また下がったら買おう」と、お考えの方も結構多いのではないでしょうか。

今回は、この高値更新中の金(ゴールド)が、今後(近未来)どうなるのかについて考察したいと思います。

今買うべきか、それとも下がるのを待つべきか、その悩みを解決できるように多角的に検証して答えを導き出したいと思います。

目次

はじめに|直近の金(ゴールド)価格の推移

こちらの図は、2022年からの金(ゴールド)と株価を代表するS&P500指数の円建ての比較チャート(月足)です。

※ローソク足が金(ゴールド)、青色の折れ線がS&P500指数です。

どちらも右肩上がりとはいえ、その差は歴然で金(ゴールド)が約170%超のリターンなのに対してS&P500指数は約90%のリターンで、金(ゴールド)が2倍近くの圧勝です。

S&P500指数は、年平均およそ20%以上の上昇ですから文句なしの数値なのですが、金(ゴールド)は年平均40%を超える驚愕のリターンとなっています。

GOLDって意外と凄いのカモ

金(ゴールド)の価格上昇の背景

直近の最も大きな価格上昇の理由、あるいはトレンドの発生と注目されているのがこちらの図です。

これは、世界各国の中央銀行が保有している準備資産のうち、米国債券と金(ゴールド)の比率を現しているチャートです。

※青色が米国債券、黄色が金(ゴールド)です。

Foreign Central Banks Hold More Gold Than Treasuries

中央で交差しているところが1996年で、米国債券の保有量が金(ゴールド)を抜いた年です。

そして今年2025年、実におよそ30年振りに金(ゴールド)の保有比率が米国債券の保有比率を上回ったことが確認できます。

これは大きなトレンド転換で、世界的なリバランスが始っていることを示唆していると言えます。

そして、このトレンドには「終わりが見えない」と言っても過言ではない背景があります。

終わりが見えないトレンド、米ドルに対する信認の問題など背景の詳細については、過去の記事にまとめていますので、合わせてこちらの記事もぜひお読みください。

また、上図にあるように1980年頃には、米国債券が10%を下回り、金(ゴールド)の比率が75%あたりまで増加していた時代があります。

今はまだ、金(ゴールド)の比率が約30%というあたりですので、まだまだこれから中央銀行が金(ゴールド)を購入して行く可能性が充分にあると言えます。

加えて、米国債券の比率が下がるということは、米国債券が売られることを意味しますので、米国の金利に上昇の圧力がかかることになります。

このことは、過去の記事、未来が分かる!?【金利の長期サイクル】でお伝えしている「向こう20年は金利が上昇する時代」の可能性が高い事とリンクしていると言えます。

金利との関係も重要カモ…

その通りです!
金(ゴールド)の価格は金利と密接に関係しています。

金利が下がれば債券への投資妙味が薄れ、金(ゴールド)への資金流入が起こり、金(ゴールド)の価格は上昇します。

逆に金利が上がれば、金(ゴールド)が売られて債券が買われやすくなりますので、金(ゴールド)の価格は下落しやすくなります。

この値動きの関係は、株式も同じです。

金利が下がれば、企業業績の向上が見込めますので、株式にも追い風が吹いて上昇しやすくなります。

今は米国の利下げペースが注目されてるタイミングだから、金(ゴールド)と株式が買われてるのカモ…

長期目線|金(ゴールド)価格の推移

では、目線を少し長期に変えて金(ゴールド)の価格を見てみましょう。

こちらの図は、左が1996年以降(前述の中央銀行の保有比率転換点)、右が2000年以降(ITバブルの天井圏)の金(ゴールド)とS&P500指数の円建てチャート(月足)です。

※切り取る期間でリターンが全く異なることが判ります。

タップ(クリック)して拡大してご覧ください。

1996年以降(前述の中央銀行の保有比率転換点)で比較すると、どちらも約14倍あたりで、ほぼ遜色ない上昇となっています。

ところが、2000年以降(ITバブルの天井圏)からのチャートを見ると金(ゴールド)が約18倍でS&P500指数が約5.5倍です。

このことから言えることは、株価が大きく下落するような天井圏からの投資では、金(ゴールド)に投資妙味があるといえます。

このところ、株式も最高値更新中だから、もし株式が下落するなら、金(ゴールド)への投資がいいカモ…

但し、切り取る期間で結果は大きく変わりますので、常に金(ゴールド)が優秀という訳ではありません。

下図ように2011年以降で見ると真逆の結果になります。

なぜ、2011年なのかは後述します。

本当に真逆ですね。
S&P500指数が、金(ゴールド)の2倍を超える成績になっています。


参考までに今年の年初来推移は、このようになっています。

S&P500指数が約5%の上昇に対して、金(ゴールド)は約37%の上昇です。

まさに、金(ゴールド)は最強のアセットですね。

これから金(ゴールド)の高値を買って行くのは悩ましいカモ…

そうですよね。

ここまで上がると、皆が下がったら押し目買いしようと待っているので、中々下がらないというのが現状なのカモ知れません。

合成指数を検証|金(ゴールド)÷S&P500=?

こちらの図は、1990年頃からの金(ゴールド)とS&P500指数の合成指数を現すチャートです。

今回の合成指数は、金(ゴールド)の価格をS&P500の価格で割り算して求め、どちらが優勢なのかを見ていきます。

グラフの上昇はS&P500に対して金(ゴールド)が優勢であることを意味します。

反対にグラフが下降しているときは金(ゴールド)に対してS&P500が優勢であることを意味します。

ITバブルが崩壊する前の2000年頃までは、金安株高で推移していました。

そしてITバブルが弾けてリーマンショックが起こり、欧州の債務危機が終了を迎えるまでの約11年間は金高株安が続き、2011年に欧州の債務危機が終了したあたりから金安株高になっています。

そしてコロナショックによる米国の金融緩和が終了し、インフレ退治のため利上げを開始した2022年あたりから金高株安へと徐々にシフトしています。

前述、2011年以降で見ると真逆の結果になっていたのは、欧州債務危機の終了と同時に株高相場へと以降したためです。

如何でしょうか?

金(ゴールド)とS&P500指数の大きなトレンドの変化(黄色の折れ線)がご理解頂けましたでしょうか?

まとめ|金(ゴールド)は比率で買う!が正解

この合成指数から見えるトレンドと、前述の中央銀行のトレンド転換、そして金利の長期サイクルなどを複合的に勘案することで導き出される答えは…

  • 金(ゴールド)は、まだまだ今後も上昇する
  • 金(ゴールド)は、S&P500指数をまだまだアウトパフォームする

と、なるのではないでしょうか。

確率は高いと思いますが、あくまで可能性の話しですので、必ずそうなるという訳ではありません。

また、投資は自己責任ですのでくれぐれも、金(ゴールド)に「全振り」とかは、お控えください(笑)。

投資の基本は、「安く買って高く売る」ですから、この高値に見える金(ゴールド)を買って行くのは実に悩ましいところです。

このような環境での投資の正解は、株式・債券・金(ゴールド)等の比率を事前に決めて、その比率に従って時間分散購入をすることです。

また、年1回程度のリバランスを行ってポートフォリオのリスクを想定内にコントロールすることが大切です。

リバランスは高くなったアセットを売って、安いアセットを買うことですから「安く買って高く売る」ことを機械的に実践できます。

さて、皆様のポートフォリオの金(ゴールド)比率は、どの位でしょうか?

かもナスは、前回の資産公開でお伝えしました通り、現在の金(ゴールド)の比率は、リスク資産の約50%近くになっていてリターンは良好です。

しかし、流石に50%はちょっとやり過ぎ感が否めませんので、そろそろリバランスが必要かな?と考え始めていたりします。

投資初心者の方は、こちらの記事をご一読いただき投資の王道をご理解いただいたうえでチャレンジして下さいね!

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このところの株高で、信用取引やレバレッジ投資の残高も過去最高を更新しているとのことです。

もしも株式が下落相場になれば、これらのポジションの影響で株式のマイナスを補うために、
一時的に金(ゴールド)などの好調なアセットも売られてしまうことがあります。
(実際、過去に売られて一緒に下落しています。)

つまり、この時が
買いの絶好のチャンスですので、高値圏にある現状では現金比率もしっかり確保しておくことが大切です。

それでは皆様、今回も
最後までお読みいただき
誠に有難う御座いました。

これからも
ご一緒に、資産形成
ガンバって参りましょう!
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