FIRA60 リスク許容度って何?どうやって決める?【効率的フロンティアの攻略】

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記事の要旨:「ご自身のリスク許容度に合わせて、、、」投資の勉強をされた方は、一度は耳や目にしたことのある言葉ではないでしょうか。当然「私のリスク許容度って???」となりますよね。本記事では「リスク許容度」を決めるための要素に触れながら、不必要なリスクを取らない方法について、私かもナスの考えをお伝えします。本記事をお読みいただくと、老後資産の長期運用を継続するためには、欠かせない重要なポイントを押さえることが出来ます。

目次

そもそもリスクとは?

最も基本的なリスク(市場リスク・価格変動リスク)

株式や投資信託(ファンド)などへの投資におけるリスクとは、将来の収益や元本が、当初の予想と異なる結果となる可能性のことです。具体的には、価格(価額)が変動することによって生じる損失の可能性を指します。

リスクが高いということは、大きなリターンを得られる可能性と同時に、大きな損失が出る可能性も高いことを意味します。しかし大きなリスクをとれば必ず大きなリターンが得られるという訳ではありませんので注意が必要です。

その他の様々なリスク

金利変動リスク

債券や不動産など、金利の影響を受ける資産に特有のリスクです。また、企業業績が金利による影響を受けることがあるため株価などにも影響を与えます。

為替変動リスク

外国株式や外国債券など、外国通貨建ての資産に特有のリスクです。日本円に換算した際の資産価値に影響します。

信用リスク

企業が倒産したり、債務不履行を起こしたりすることで、投資した資金が回収できなくなるリスクです。株式や債券、投資信託などに伴うリスクです。

流動性リスク

売却したい時にすぐに現金化できないリスクです。市場規模が小さい、取引量が少ない金融商品では、このリスクが高くなります。

インフレリスク

物価が上昇することで、実質的な収益が減少するリスクです。

政治リスク

政治情勢の変化によって、投資環境が悪化するリスクです。

カントリーリスク

特定の国に投資する場合、その国の経済状況や政治情勢によって、損失が生じるリスクです。

短期投資では無視できるリスクもありますが、長期投資においては、これらのリスクに常にさらされ続けることになります。大切なのは、ポートフォリオ作成時にこれらの要素への対応をしっかり盛り込んでおくことです。

リスク許容度とは?

簡単に言うと「投資によってどれくらいの損失を許容できるか」となります。投資したお金が減ってしまう下落相場や元本割れのリスクなどに対して、どこまでのマイナスなら耐えられるかどれくらいの「心の準備」が出来ているかと言った「心の余裕」のことです。

リスク許容度は、人によって大きく異なる

若い人は、長い投資期間があるため、大きめのリスクを取れる傾向にありますが、高齢になればなるほど失敗した場合のリカバリーが困難となりますので、可能な限りリスクを抑える必要があります。

リスクをよく理解せずに投資を行い「こんなハズじゃなかったのに」となっては後の祭りです。長いリタイア生活を安心して暮らして行くためには、リスクを充分に把握したプランニングがとても重要となります。

リスクはパーセンテージで表される

例えば、過去の暴落では、株式が約60%下落したこともあります。この時100万円を投資していたら、40万円まで資産が減ることになります。仮に1,000万円投資していたら、400万円にまで資産が減少することになります。この両者は同じ60%の下落ですが、人によって受ける印象が大きく異なります。60万円の損失と600万円の損失とでは、金額が大きく異なるからです。

自身のリスク許容度を決めるためには

株式などのリスク資産に投資した金額の60%が一時的に失われても(売却するまで損金は確定しない)投資を継続出来るかどうか、売却せずにリスク資産の回復を待てるかどうかが重要なポイントとなります。

リスクが投資の最大の敵?

投資の最大の敵は自分自身

投資家にとって最大の敵は、実は自分自身であるということをご存知でしょうか。

投資の最大の敵は、外部の市場要因(リスクなど)ではなく、これら自分自身の内面にあることが多いのです。

自分自身を克服して成功を掴むために

長期的視点

一時的な市場の変動に一喜一憂せず、長期的な視点で投資計画を立てる。基本は優良なインデックファンド(投資信託など)のバイ・アンド・ホールド(Buy and Hold)を貫く。

感情のコントロール

投資計画(マイルール)を策定し、常にそれに従い定期的にリバランスを行う。一時的な情報に振り回されずどっしりと構える。

知識を得る

投資の基本を理解し、自分のポートフォリオを定期的に見直す習慣を持つ。

上記を心掛けて自己認識を深め、感情をコントロールし、長期的な視点を持ちながら、知識を増やしていくことが、成功への道を開く鍵となります。

ここまでが教科書的な内容なのですが、、、「ん~?それで?」となっている方も多いのではないでしょうか。

では、ココからが本題です。具体的なリスクとリターンについて見て行きましょう。

不必要に大きなリスクを取らない

効率的フロンティアの攻略

効率的フロンティアは、投資家にとって最も有利と考えられるポートフォリオの集合のことです。

高いリターンを得ようと思えば、それだけリスクも高くなるという関係がありますが、下図は、複数の資産に分散投資を行うことで、リスクを低減させながらリターンを追求できるという分散投資の効果を視覚的に示しています。

効率的フロンティアはこのリスクとリターンをグラフ上にプロットした際に、同じリスクに対して最も高いリターンが得られる、または同じリターンに対して最も低いリスクで実現できるようなポートフォリオを繋いだ線のことです。

図中の大きな●の位置が接点ポートフォリオと呼ばれ、最も効率的で良いとされています。資本市場線の傾きはシャープレシオ(リスク調整後のリターン)を表し、効率的フロンティアとの交点が最も効率が良いという事になります。

効率的フロンティアは、あくまで理論的な概念であり、実際の市場では、過去のデータに基づいて将来を予測するため、必ずしも理論通りに動くとは限りません。

こちらは、かもナスが実際に投資しているポートフォリオの位置を表した図ですが、その前にこの図や過去に掲載の図もそうですが、こちらのサイトを利用させていただいております。

サイトのご紹介

マイインデックスというサイトの「資産分配ツール」(無料)を利用させていただいています。

アドレス: https://myindex.jp

こちらでインデックス投資における様々なバックテストが行えますので、かもナスも大変重宝しております。皆さまも一度ご利用になられては如何でしょうか。

感謝 感謝です!

この図は、このサイトをご利用されている方々が保存されているポートフォリオです。約18万8千件のデータとなっています。この図では、見やすくするためにまた、できるだけ分散投資の結果が見えるように、日本株や米国株などの一部特定の国への過度な集中投資を可能な限り含めない表示としています。

このように、資本市場線に近いポートフォリオは、取っているリスクに対してリターンが効率的で、不必要なリスクを取っていないと言う事になります。

一部で老後の資産運用は、全世界株式(通称オルカン)と現金の1:1でのシンプルな運用も推奨されていますが、この図をご覧いただいて如何でしょうか。

運用はこの上なくシンプルでとても良いのですが、リバランスが困難となる可能性が出始める後期高齢者向け?で、リタイア後その年齢に達するまでは、もう少し他のアセットを組み入れて分散すると、リスクの低い効率的な運用が可能となりそうです。

あるいはまた、「オルカン1本のみ」という投資方法(生活防衛資金とオルカンのみとか)は、「不必要なリスクを取っている状態」であると言えるのではないでしょうか。これが、過去の暴落時にどのような状況をもたらしたのかは本記事の末尾「まとめ」の図中に出ていますので興味のある方はご覧になってください。
※オルカンは、分散が効いているとは言え株式のみでの分散ですので、その下落耐性は限定的です。

※かもナスは決して「オルカン1本のみ」を否定している訳では御座いません。リスク許容度の比較的高い方であれば何ら問題無いでしょう。ご自身のリスク許容度内なのかについては、改めて検証いただくことで長期投資の成功する確率が上がることを願っております。

図中の「債券バランス型」は、かもナスがポートフォリオに30%組み入れているバランス型ファンドです。コレ単体ではあまり効率的ではありませんが、比率を調整してポートフォリオに組み入れることで、赤文字で「かもナス」と表示されている効率的な位置を確保することが出来ています。

ポートフォリオのリスクの違いで投資可能金額が変化する

例えば年7%のリターンを求める場合、リスクが小さいポートフォリオの場合とリスクが不必要に大きいポートフォリオの場合とでは、下落するパーセンテージが異なります。株式のみならマイナス約60%、例えばかもナスのポートフォリオではマイナス約25%程度です。つまりポートフォリオのリスクの違いでマイナスとなる金額が異なってきます

リスク許容度は、どれだけのマイナスに耐えられるか、という事ですので自身のポートフォリオのリスクを把握し、投資したい金額から算出されるマイナス金額を把握して自身と対話して決める必要があります。

まとめ

如何でしたでしょうか。リスクを知り、効率的な運用を行うことで不必要なリスクを回避出来ることまた、リスク許容度を知るためには、ポートフォリオの決定が先決ということがお解りいただけましたでしょうか。

また、お時間のある時にご自身のアセットを、今回ご紹介させていただきましたマイインデックスのサイトで確認されてみては如何でしょうか。

ご自身のポートフォリオで過去の暴落時の「下落パーセンテージ」を確認することも可能ですし、何かの気付きや発見につながるかも知れません。また長期運用に必要な握力が強まる可能性もあります。
かもナスは、皆様の長期投資が成功することを願っております!

下図のように、過去の様々な大暴落の時に、どの程度下落したのかを確認することが出来ます。
これらが無料で利用させて頂けるなんて、まさに「神サイト」だと、かもナスは思っています。感謝!感謝!

大きく下落を食らうと、その後の復活も長期に至る可能性が高くなります。リタイア後は「大きな下落」を食らわないようにアセットアロケーション運用で複数のアセットに分散し、リスクマネジメントを行うことが極めて重要となってきます。

次回の記事では、3つのバケツ戦略ならぬ3段キャビネット出口戦略(命名:かもナス)についてお伝えできればと考えております。次回記事もぜひご一読いただきたく宜しくお願いいたします。

本日は、ここまでお読みいただき
誠にありがとうございました。

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