FIRA60 完全攻略ガイド【Step0:FIRA60とは?】

FIRA60 完全攻略ガイド【Step0:FIRA60とは?】

記事の要旨:今回は、「FIRA60完全攻略ガイド」としてのスタートラインとなる連載の第1話となります。最初の一歩に戻り「FIRA60とは何かについて」から始めて最終的にFIRA60に対する全ての疑問にお答えすることを目指し、メリット・デメリットから達成するための具体的な方法、必要な準備、注意点に至るまで網羅して行く予定です。はてさて本当に「完全攻略ガイド」として完成するのでしょうか(笑)まだ、かもナス自身も道半ばなので疑わしいところもありますが、皆様の期待を裏切らないよう頑張って行きたいと思いますので、どうぞ宜しくお願いいたします。

目次

FIRA60とは?早期リタイア、FIREとの違いを解説

早期リタイア、FIREとは?

FIREとは、「早期退職して労働から解放され、自由な生活を送る」というライフスタイルを指します。この言葉は、Financial Independence, Retire Early(経済的自立と早期退職)の頭文字をとったものです。

FIREには下記に代表される様々な種類があります。上の2つが基本形です。下の3つが派生形で何らかの労働を行うケースです。

労働してるのにFIRE?って不思議カモ

そうですね。労働するかしないかの違いではなく「労働しなければ生きていけない、食べていけない状態からの脱却」が鍵となります。また、労働しなければ生きていけない、食べていけないけれど一定の資産収入があり「好きな仕事である程度稼げれば生きていける」という状態でもFIREとされています。

何でも有りカモ

そっ、そうかも知れません。。。重要なのはメンタルが豊かになるライフスタイルになっているかどうかです。人それぞれに心豊かになる対象が異なるので、様々なパターンがあるという感じです。

めんたる大事
すとれすキライ

FIRA60とは?

経済的自立(Financial Independence)を達成し、60歳前後でリタイア(Retire Around 60)する生き方のことです。一般的な早期リタイアのFIRE(Financial Independence, Retire Early)と異なり、定年退職の時期に近いことから、より現実的な目標として注目されています。

ただの定年退職カモ

それはそうなのだが

そもそも経済的自立(Financial Independence)とは?

一般的には自分の収入で生活費を賄うことができ、他人に依存することなく暮らしている状態のことです。

自力で働いて生計を立ててる人は、全員経済的自立の状態カモ

そうですね。例えば就職したての若人も、他人に依存せずに暮らしているのであれば立派に経済的に自立していると言えます。

それじゃあ、大多数の人が経済的に自立して生活してるんだから、みなFIREしてるって事カモ

つまりFIREにおいては、預貯金や投資などによる資産収入だけで生活できる状態、あるいは労働をほぼ必要としない状態を意味しますので少し一般的な意味合いとは異っていると言えます。

なんか解せぬぞい

FIREとの違い

目標年齢
FIREは30代~40代でのリタイアを目指すのに対し、FIRA60は60歳前後でのリタイアを目指します。

準備期間
FIREよりも準備期間が長いため、より計画的に資産形成を進められます。

公的年金
60歳以降は公的年金を受取ることが可能となるため、リタイア後の生活設計が立て易くなります。

リタイア期間
FIREよりも短くなるため資産の枯渇リスクが低くなります。

まあまあイイじゃん!

FIRA60が注目される背景

平均寿命の伸び

日本人の平均寿命は延び続けており、令和5年の時点で男性81.1歳、女性87.1歳年々延び続けています。
この平均寿命は、例えば0~1歳で亡くなった方も含む平均値ですので、より正確に把握するためには平均余命を見る必要があります。

下図の平均余命(表)から、下記の年齢まで生きられた方々の平均寿命を算出するとこのようになります。

赤文字:平均余命 ・ 橙色:平均寿命
60歳まで生きられた方々は、男性約23.7年(60+23.7=83.7歳)女性約28.9年(60+28.9=88.9歳)
65歳まで生きられた方々は、男性約19.5年(65+19.5=84.5歳)女性約24.4年(65+24.4=89.4歳)
70歳まで生きられた方々は、男性約15.7年(70+15.7=85.7歳)女性約20.0年(70+20.0=90.0歳)
80歳まで生きられた方々は、男性約9.0年(80+9.0=89.0歳)女性約11.8年(80+11.8=91.8歳)
90歳まで生きられた方々は、男性約4.2年(90+4.2=94.2歳)女性約5.5年(90+5.5=95.5歳
厚生労働省資料【令和5年簡易生命表】主な年齢の平均余命(下図参照)

【令和5年簡易生命表】主な年齢の平均余命
何歳まで生きられるかな~

健康寿命への注目

近年、平均寿命や余命の数値以上に「健康寿命」が重要視されつつあります。男性72.6歳女性75.5歳(令和4年時点)が制限なく日常生活が送れ自由に活動できる年齢となっています。

健康寿命について詳しくはコチラの記事をご一読ください。「FIRA60“Time is money”健康寿命は増やせる」

FIRA60-intro
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「健康寿命までの時間を有意義に過ごしたい」あるいは「健康寿命までの自由な時間を増やしたい」というのが早期リタイアにおける重要な視点です。

自由な時間は長い方がイイな

働き方の多様化

リモートワークや副業など、柔軟な働き方が広がり、定年退職にこだわらない生き方が可能になりました。またワーク・ライフ・バランス、ワーク・ライフ・インテグレーションあるいは、ワーク・イン・ライフといった仕事と生活に対する多様な価値観が重要視されるようになって来ています。

充分な老後資金が貯められたから、仕事を辞めてボランティアで貢献したい。あるいは、世界中を旅したい。さらには、諦めざるを得なかった昔の夢をリタイア後の時間でやりたい。このように労働に束縛されず自由な選択ができることなども重要視されています。

自由ってスバラシイ

ノンストレスで長生きライフ!

「心身ともにストレスなく生活できること」がFIRA60あるいは、早期リタイアFIREを選択することによって得たい重要な目標です。

老後への不安

公的年金だけでは老後の生活費が不足する可能性が増し、早期からの資産形成が重要になっています。

60歳の定年でリタイアしたいけど年金だけでは生活できない。あるいは働くしか無いけど、体力も衰えるし70歳まで働くとかイメージできない。など、このような問題で悩まれる方も少なくありません。

年金足りない
むっムリだもんっ

このような老後の不安を解消するためには、出来るだけ早い段階からの資産形成が有効な対策となります。iDeCo積立やコーストファイアなどで資産形成することでFIRA60が視野に入ってきます。

60歳前後のリタイアの実態と割合

内閣府令和6年版高齢社会白書(全体版)」によると、男女別に就業状況を見ると、男性の就業者の割合は、55~59歳で91.5%、60~64歳で84.4%、65~69歳で61.6%となっており、65歳を過ぎても、多くの人が就業している。また、女性の就業者の割合は、55~59歳で74.7%、60~64歳で63.8%、65~69歳で43.1%となっている。

このことから実際に60歳前後でリタイアしている割合は、男性で約10%、女性で約30%と類推されます。

意外と少ない!?

65歳の年金受給までは
働かざるを得ない
状況が浮き彫り!?
内閣府資料:55歳以上の者の就業状況

65歳を過ぎても約半数の方が、70歳を過ぎても約30%の方が働いていると言うのが日本の現状です。

まとめ

FIRA60とはただの定年退職とも捉えられますが、65歳を過ぎても約半数の方が働いていて且つ増加傾向の現状を踏まえると、FIRA60は早期リタイア、FIREの一つと言えます。

しかし高齢者雇用促進の流れと周囲に流され、ややもすると大多数の方が「気が付けば動けなくなるまで働き続ける」という社会の方向性について疑問視されている方もおられることでしょう。

一昔前の「定年退職=のんびり年金暮らし」のイメージ、また今では「定年退職=年金だけでは暮らせない」といった現状とは異なり、FIRA60は充実したリタイア生活を送ることにウエイトを置いたプラン「FIRA60=能動的に理想の生活を自分で築きあげる」といった強いイメージがあるものと捉えられるのではないでしょうか。

FIREの主目的は「労働からの解放により自由な生活を手に入れる」ことでFIRA60も同様です。すなわち「労働に拘束される時間や精神的に受けるストレスを減らして心豊かに生活する」ことです。

それを手にするためには潤沢な老後資金が必要となるため、準備期間が長く取れるFIRA60というコンセプトが注目されているということです。早期リタイアの魅力はありつつも、現実的な年齢設定を目指す点が特徴です。

このようにFIRA60は、FIREをより現実的にしたもので理想的なリタイア生活、充実したライフプランの具現化に向けた新たな選択肢の一つと言えます。

60歳JUSTでFIRA60を達成した場合、健康寿命までの時間は、男性12.6年、女性15.5年です。65歳でリタイアすれば男性7.6年、女性10.5年です。70歳まで働けば男性2.6年、女性5.5年です。この時間を多いと捉えるか、少ないと捉えるかがポイントとなります。

さて、皆様はFIRA60をどのようにご理解されましたでしょうか。かもナスはFIRA60を目指していますが、未だ道半ばです。徐々に見えて来る未来像と未だ想像し得ない未来への期待感、もうこの歳で忘れかけていた感覚「ちょっとした冒険」をしているみたいなワクワク感を日々楽しんでいます。

それだけでも有意義な時を過ごせて、かもナスのメンタルは良好です。よろしければご一緒にFIRA60を目指してみられませんか?

次回の記事は、FIRA60 完全攻略ガイド【Step1:目標設定(仮題)】を考えております。ぜひ次回の記事もご一読いただきますよう、宜しくお願いいたします。

本日は、ここまでお読みいただき
誠にありがとうございました。

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